大学を卒業して以来、脳卒中など急性期の病気にかかられた方の診療に携わってまいりました。 病院を退院された患者さんを長年外来で拝見していると、時間とともに皆さんがさまざまな悩みに直面されることが分かります。後遺症に苦しまれる方や避けられない老化に不安を覚える方もいます。ご家庭の悩みを打ち明けられる方もいらっしゃいます。 そのような患者さんと接していると、急性期の治療も大事なのですが、急性期を乗り越えた後に何でも気軽に相談できる医師の存在も大切ではないかと思うようになりました。 そして、「認知症」という病気が注目される時代が到来しました。前勤務先の東京都済生会中央病院は、東京都の指定を受けた認知症疾患医療センターであり、私はセンター長代理を約4年間務めました。もの忘れ外来、認知症カフェ、認知症家族会、セミナーや講演会などのさまざまな活動を通し、多くの患者さんやご家族、認知症ケアに携わる皆さんとお会いする貴重な時間をいただきました。 皆さんのお話から、認知症の診療には「実際の生活現場」を把握して、「本人・介護者の双方の悩み」にしっかりと耳を傾け、そして寄り添うことが何より大切であることを教えて頂きました。 もっと自らが現場に入り込むことで、患者さんやご家族の悩みや思いに対応していきたいと思い、2019年9月よりむすび葉クリニック渋谷にて勤務することを決意いたしました。 当クリニックの外来では、認知症のご本人はもちろんですが、介護者の皆さんの悩みも十分に受け止める時間を確保したいと考えております。また、通院が困難な方には、場所にもよりますが訪問診療も可能です。 訪問することで実際の生活現場を確認すると、診察室のみでは見えないものが判明することもあります。 認知症の方が、「何ができて、何ができないのか」を把握し、ご本人の残存能力をできるだけ活かしたアドバイスができればと思っています。 また、脳神経内科専門医であることを活かし、パーキンソン病や重症筋無力症、多発性硬化症、てんかんなどに代表される脳神経疾患の外来・訪問診療にも力を入れてまいります。頭痛、しびれ、めまいなどの脳神経症状にお困りの方もご相談下さい。風邪やインフルエンザ、腹痛などの総合内科的な症状も拝見いたしますので、お気軽にお越し頂ければと思います。